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10周年 原点とこれから

2022.12.22

0.00 (rei ten rei rei) は、2022年2月に10周年を迎えました。
これまで関わってくださった皆様、ありがとうございます。

時間が経ってしまいましたが、0.00 (rei ten rei rei) の原点であり今も大切にしている
“動物と人間との距離を近くすること” と これから について、
いま思うことを書いておきたいと思います。


私が「動物」と「人間」という存在に興味を持つきっかけになったのは、
劇団四季のミュージカル『ドリーミング』です。
幼少期、母が録画していたビデオを気に入って毎日のように観ていました。

『ドリーミング』は、ベルギー出身のモーリス・メーテルリンクが
1908年に発表した戯曲『青い鳥』を、劇団四季がミュージカルにしたものです。

クリスマスイブの夜、人間の子供チルチルとミチルが妖女に青い鳥探しを依頼され、
犬、猫、光、水、火、パン、砂糖、ミルクの精たちと一緒に旅に出る物語です。

毎日のようにミュージカルのビデオを観ていた幼い私は、
私が生きる世界は『ドリーミング』の世界と同じだと思い込んでしまいました。

チルチルとミチルは、動植物に敵視されて青い鳥探しに協力してもらえなかったり、
妖女から渡された帽子がなければ真実が見えず、人間以外の存在が話す言葉がわからなかったりします。

人間が悪い存在だから、人間以外の存在から嫌われて仲間外れにされている。
人間以外はみんな仲良しでいいな。
当時の私は心からこう思っていました。


成長すると、私の生きる世界は『ドリーミング』の世界ではないことを知るのですが、
人間以外の存在との良好でない関係性や欲にまみれた醜さなど、
劇中で描かれていた人間の負の部分は頭から消えず、正確に表していたように思えてしまうこともありました。
人間以外の存在の方が愛しく、羨ましくもありました。

人間を愛しく思えるようになったのは、20代に入ってから、
銀塩写真の被写体として、動物園や水族館の動物を撮るようになってからです。

目の前の動物と向き合ううちに、動物のこと、人間のこと、お互いの関係性をよく考えるようになりました。
同じ命がある存在であると感覚的に理解できたことが、愛しく思えることに繋がったように思います。

連鎖するように、同じ世界のさまざまな存在、共に在るこの世界にも関心を持てるようになりました。
動物との距離が近くなったことから、私の世界は広く豊かなものに、未来のあるものになりました。


ひとりの人間として、この世界のために何がしたいかをいま改めて考えると、

“動物と人間との距離を近くしたい” という10年前と変わらない考えがまず浮かび、
“〇〇と人間との距離を近くしたい” という考えに至ります。

私にとって動物と近づくことがそうであったように、
誰かにとっても同じ世界の存在と近づくことが、
さまざまな存在や共に在る世界のことにより関心を持つ、生きることがより楽しくなる、
ひとつのきっかけになるもしれないと思うからです。
そうなれたらいいなと思うからです。

私たちは同じ世界に在りながら、同じ視点で世界をみることはできません。
でも、ひとりひとりのみる世界がより明るいものになれば、
さまざまな存在と共に在るこの世界もまた、より明るいものになると信じています。


距離を近くするためにより良いモノ、より良いコトは何か。

考えながらつくり続けているうちに、あっという間に10年が経ってしまいました。
さまざまな関わりの中で刺激をいただき、ここまで楽しく歩むことができたと感じています。
本当にありがとうございます。

これからも考えながら、つくり、歩んでいきます。
変わらず 0.00 (rei ten rei rei) の活動にお付き合いいただけますと幸いです。

どうぞ宜しくお願い致します。